先輩紹介は「どこに配属されたか」ではなく
「どう変わったか」

- 先輩紹介は「配属先」ではなく「入社前からの変化」を見せる
- 価値観や軸を把握するには、座談会より自分史と1対1の面談
- 見本は渡さず、面談での深掘りでその人自身の言葉を引き出す
ある企業の採用の打ち合わせでのことです。
求人媒体の先輩紹介ページについて話し合っていた際、同席したコンサルタントがこう助言しました。
「文系出身でこういう思いを持って入社し、自動車業界に配属された。そこでこういう経験をして今こうなっている。このストーリーで見せましょう」
※実際の打ち合わせをもとに、会社が特定されないよう一部を変えています。
「〇〇部に配属されました」と事実を書くだけでは、学生の心には何も残りません。求職者の共感を呼ぶのは、「入社前の思い、配属、経験、そして今」という変化のストーリーです。人事として16年間、大量採用の現場で培ったノウハウと、コンサルタントとしての3年間の知見から、本当に伝わる原稿素材の集め方を解説します。
「どこに配属されたか」だけでは記憶に残らない
求人票に書いてあるような事実を並べただけの先輩紹介は、学生の記憶に残りません。読者が求めているのは、部署名や業務内容の表面的な解説ではないからです。
自分がその会社に入ったら、どのような考えを持った先輩たちと働き、どう成長していくのかというリアルな変化の過程を知りたがっています。
必要なのは「どこに配属されたか」ではなく
「どう変わったか」のストーリーです。
冒頭の打ち合わせでコンサルタントが助言したように、入社前からの思いと、配属後の経験がつながって初めて相手に伝わります。
「文系出身でこういう思いを持って入社した」
「自動車業界に配属され、こういう経験をした」
「その経験を経て、今こうなっている」
このように、「思い」と「経験」、そして「今の姿」を一つのストーリーとして見せることが大切です。こうした入社経緯の聞き取りは、新卒採用に限った話ではありません。中途採用でも、原稿の素材として有効に働きます。
素材集めは座談会より1対1の面談が向く
では、このストーリーの素材をどうやって社員から集めればよいのでしょうか。
職場の雰囲気を見せたり、社員同士で交流しながら振り返りを行ったりする目的であれば、座談会は非常に有効な手段です。
しかし、個人の深い思いを聞き出す場としては最適とは言えません。個人の価値観の軸を把握し、入社経緯の背景にある思いを知るための素材集めには、座談会よりも1対1の面談の方が向いています。
面談で本人のストーリーを引き出す具体的な方法の一つに、「ライフラインチャート(自分史)」があります。
こうした手順を踏むことで、その人ならではの入社経緯や、仕事に対する価値観の軸を把握しやすくなります。ここで集めた素材が、記憶に残る先輩紹介の土台になります。
見本を渡さず、本人の言葉を引き出す
社員から原稿用の素材を集める際、もう一つ気をつけておきたい点があります。それは「見本」の扱いです。
「こういう形式で書いてください」とあらかじめ見本を渡すと、社員にとって書きやすくなるのは事実です。しかし、多くの人が見本の構成や言い回しに寄ってしまいます。
結果として、似たような文章が並び、その人らしさが失われてしまうことが少なくありません。
私は前職で、年間2,000名規模の新卒採用の責任者を務めていました。その際、あえて見本を渡さずに実施した経験があります。
見本がないため、当然「何を書けばいいかわからない」と筆が止まる社員も出てきます。そこが人事の腕の見せ所です。書けない社員に対しては、面談での深掘りを通じて、その人ならではのエピソードを少しずつ引き出していきました。
見本に沿った無難な文章を集めるのではなく、手間をかけてでも本人の言葉や経験を引き出すことが、本当に伝わるコンテンツづくりにつながります。
人事目線で採用起点のサービスを作る
採用に関するコンテンツ作りは、ただ情報を並べてデザインを整えるだけの作業ではありません。自社の社員と向き合い、その魅力を言語化し、求職者に届く形に翻訳していくプロセスです。
人事として16年間、大型の大量採用を現場で実践してきたノウハウ。そして直近の3年間、コンサルタントとしてお客様の組織に深く入り込んできた知見。この2つの経験があるからこそ、私たちはWeb制作会社や広告会社の視点とは異なる「人事目線」で、採用起点のサービスを作ることができます。
採用ホームページの制作にとどまらず、サイトと連動した「応募LINE構築システム(仮称)」や、応募者管理、採用を主体としたマーケティングへとサービスの領域を広げるべく、開発・検討を進めています。
御社の先輩紹介は、ただの配属先のカタログになっていないでしょうか。
もし思い当たる節があれば、まずは若手社員1名と1対1で面談の場を設け、入社経緯をじっくりと聞き取ってみてください。そこから得られるリアルなエピソードが、御社の採用を前に進める素材になります。
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