見学は増えたのに応募は減った。
それは失敗ではなかった

- 昔と違い、今の生徒は検索して3〜5社を見学してから決めるようになっています
- 見学数が増えれば応募率は下がります。今回の相談では、私の見立てでは現場の見学対応に課題は見えませんでした
- 見学で生徒の軸に合わせた説明を行い、その魅力を採用サイトでも伝えていくことが大切です
「見学に対して応募が少ない。原因は何か」
※実際の打ち合わせをもとに、会社が特定されないよう一部を変えています。
見学に来る生徒は増えたのに、なぜか応募につながらない。そんなご相談をいただきました。しかし率の低下は、現場の対応が悪いからとは限りません。比較されることが当たり前になった今、採用担当者が見るべきポイントを解説します。
相談の現場から:「見学の対応に課題は見えない」
人事として大量採用の現場にいた16年間。そしてコンサルタントとして企業様に伴走する今の3年間。
冒頭でご紹介したご相談も、担当者の方は見学後の応募率が低いことを心配されていました。
しかし、私の見立ては少し違いました。
現場の見学対応に課題は見えなかったのです。
年齢の近い社員をアテンドに入れている点も、生徒に安心感を与える適切な対応でした。
では、現場の対応は悪くないのに、なぜ応募率は下がってしまったのでしょうか。
私の見立てでは、応募率低下の理由は「比較社数の増加」
このケースでは、率が下がった理由は、生徒が「比較検討する社数」が昔と今で変わったからだと私は見ています。
かつては、1〜2社を見て決めていました。
しかし今は、求人を検索しやすくなっています。
3〜5社ほど見学に行き、そこから比較して絞り込むことが増えました。
母数となる見学社数が増えれば、1社あたりの応募率が下がるのは自然な現象です。
見学数は増えるが率は下がる、というのが正しい見方です。
率だけを見て見学対応を責めるのは、本質的な解決にはなりません。
この相談のケースでは、応募率の低下は現場の対応不足ではなく、
生徒が「比較する前提」に変わったからだと私は見ています。
比較される前提で「個別戦略」へ切り替える
3〜5社と比較される前提に立ったとき、見学での打ち手も変えていく必要があります。
単に全員へ同じ説明をして終わるのではなく、「動機形成の個別戦略」が求められます。
実際に応募してくれた生徒に決め手を聞くと、「人が良かった」「工場が清潔だった」という声がありました。
これらは、比較した他社の作業環境との差が効いた可能性があります。
生徒の軸に寄り添い、自社ならではの「選ばれる理由」を手渡して見学を終えることが大切です。
人事目線で、見学と採用サイトを連動させる
率だけを見るのではなく、見学で渡した「選ばれる理由」を、採用ホームページでも渡せているかを見ることが大切です。
ここで重要なのは、見学で感じた良い印象と、サイトの情報が一致しているかです。
見学で「人が良かった」「工場が清潔だった」と感じても、サイトに古い情報しかないとなれば、せっかくの印象が揺らぎかねません。
現場で伝えた魅力を採用サイトでもしっかり裏付けることが、応募への後押しにつながりやすくなります。
私は16年間、人事として大量採用の現場で課題と向き合ってきました。
だからこそ、現場の対応だけを見るのではなく、採用を起点とした全体の設計が重要だと考えています。
現在私たちは、こうした人事目線の知見をもとに、新しい採用支援サービスの開発を進めています。
採用ホームページと連動した応募LINE構築や、応募者管理を行う仕組み(仮称:採用連動応募管理)を開発中です。
もし御社が「見学後の応募率」でお悩みなら、まずは見学時の説明と、採用ホームページの見せ方を見直してみてください。
年齢の近い社員をアテンドにつけるなど、現場はしっかり対応してくれています。
それでも数字だけを見て「原因は何か」と悩んでしまうことは少なくありません。
このケースでは、率の低下は時代の変化によるものだと私は見ています。
現場を責めるのではなく、比較される前提に立った採用の仕組みづくりで後押しすることが、私たちの役割だと感じています。
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