最終面接官は「演じる役」
内定まで学生の気持ちを繋ぐ方法

- 内定後の面談やフォローが、担当者ごとの自由運用になっていませんか
- 面談は聞く項目をそろえ、学生の価値観をつかむカウンセリング型にします
- 一次から最終への「申し送り」が、学生の気持ちを途切れさせない鍵です
「内定を出した後の面談やフォローについて、実は決まったマニュアルがないんです。担当者ごとの自由運用になってしまっていて……」
大規模な新卒採用を行っている企業様との打ち合わせで、こんなご相談を受けました。
※実際の打ち合わせをもとに、会社が特定されないよう一部を変えています。
一次面接はAさん、次はBさん、そして社員と会うのは内定後が初めて。面接官や担当者が変わるたびに、学生の気持ちが「ぶつ切り」になっている企業は少なくありません。今回は、学生の価値観と意思決定の軸をつかみ、次の担当へ途切れさせずに申し送るための仕組みづくりについてお話しします。
担当が変わるたびに、学生の気持ちは途切れていく
採用の規模が大きくなればなるほど、面接官や内定者フォローに関わる社員の数も自然と増えていきます。
複数人で分担すること自体は問題ありませんが、「何をどう聞き、どう記録するか」が担当者ごとの自由運用になっていると危険です。
選考プロセスの中で担当者が次々と変わっていくと、学生の気持ちが途切れてしまうリスクが生まれます。
たとえば、一次面接で語った自分の熱意や、仕事に対する価値観が、次の担当者に全く伝わっていないケースです。
学生からすれば、「また同じことを最初から話さなければいけないのか」と戸惑ってしまいます。
採用活動は、一度の面接という「点」で完結するものではありません。
面接から内定、そして入社に至るまでを「線」でつないでいくプロセスです。
採用プロセスの途中でコミュニケーションが途切れると、
志望度が下がるリスクがあります。
私は人事として16年。うち2013年からは年間2,000名規模の新卒採用の責任者を務め、2021年からは新卒・中途採用のグループ全体(年間7,000名規模)を管掌してきました。
その経験から言えるのは、担当者が変わっても自社への印象を一貫して高めていくためには、明確な申し送りの仕組みが不可欠だということです。
面接官がそれぞれの感覚で話を進めてしまう属人的な状態は、早急に見直す必要があります。
私の見立てでは「内定者面談の設計」が最優先
先ほどのご相談を受けた企業様に対しても、私の見立てとしてお伝えしたのは、「最も優先すべきは内定者面談の設計である」ということです。
内定を出した後の面談やフォローが、明確な目的のない雑談や、単なる状況確認になってしまっているケースは少なくありません。
そこで私は、面談で聞く項目を事前にしっかりとそろえる運用をご提案しています。
単に最近の就職活動の状況を聞くだけではありません。
学生の価値観や行動の傾向、そして最終的な意思決定の方向をつかむための「カウンセリング型」の面談にするのです。
現在、このヒアリングシートを企業様と一緒に作成するプロジェクトを進めています。
誰が面談を担当しても、同じ粒度の情報が引き出せる状態を作ることが重要だからです。
学生のホンネを引き出すためには、聞く側の準備こそが問われます。
最終面接官は「申し送りどおりに演じる役」
面談をカウンセリング型にする最大の目的は、一次面接や面談で引き出した情報を、最終面接官へとつなぐことです。
ここでの「申し送り」が、採用成功の肝になります。
私の考えでは、最終面接官はある意味で「演じる役」です。言葉を選ばずに言えば、ほぼピエロのような存在とも言えます。
事前に共有された申し送りシートをしっかりと読み込み、そこに書かれた学生の不安を解消し、背中を押すための役を演じ切る設計にするのです。
「あなたが大切にしている価値観は、うちの会社でならこう活かせるよ」
「不安に思っていたこの部分は、入社後にこうサポートするから安心してほしい」
これまでの選考で話した内容を踏まえてそう語りかけられると、学生は「この会社は自分を深く理解してくれている」と感じてもらいやすくなります。
さらに、内定承諾の直後には、「他社の就職活動は終わったか」を確認する電話を必須にする運用を提案しています。
これをチェックボックスで見える化し、曖昧な状態のまま放置しないルールを徹底する設計です。
承諾後も気を抜かず、意思確認を仕組み化することが大切です。
応募者と内定者を分ける「志望度カルテ(仮称)」の構想
応募者リストの中で内定者も管理していると、誰にいつどんなフォローをすべきかが一目でわかりにくくなります。
こうした現場の課題を解決するため、私たちは現在「志望度カルテ(仮称)」というサービスを構想しています。
これは、これまでお話ししてきたノウハウを仕組みとして落とし込むものです。
構想中のシステムでは、内定者管理を応募者リストから明確に切り出します。
そして、名前ごとに、今後のフォロー期限と具体的なフォロー内容を一覧で並べる仕組みを検討しています。
一次面接から引き継がれた価値観や意思決定の軸も、担当者がすぐに確認できるようにすることを検討しています。
人事目線だからこそ、
現場の課題に寄り添うツールを構想できます。
私たちは過去3年間、コンサルタントとしてお客様の採用現場の奥深くまで入り込んできました。
人事としての16年の実務経験と、コンサルタントとしての3年の知見。
この二つを掛け合わせることで、私たちは採用ホームページの制作にとどまらない価値を提供したいと考えています。
採用ホームページと連動した応募LINEの構築や、今回構想しているような応募者管理システムなど、採用を起点としたサービスをこれからも開発していく予定です。
Web制作会社や広告会社の目線ではなく、現場の人事目線でサービスを形にしていきます。
御社の選考プロセスでは、面接官同士の申し送りは機能しているでしょうか。
まずは、現在の面談や面接で「次の担当者が使える情報を引き出せているか」を見直してみてください。
明日の面接から、ヒアリングする項目を一つそろえてみることが、申し送りを見直すきっかけになります。
選考プロセスが細分化されるほど、求職者とのコミュニケーションはどうしても分断されやすくなります。「志望度カルテ(仮称)」は、人事としての実務経験と、コンサルタントとしてお客様の現場に入り込んで見えてきた課題から生まれたアイデアです。現場の負担を減らし、採用の歩留まり改善に繋がる仕組みを形にしたいと考えています。
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