「家から近い」の先を聞けるか。
面接と採用サイトに共通する伝える技術

- 高校生の応募軸トップは「家から近い」。そこからどう深掘りするかが鍵
- 本音を引き出し、自社の魅力にひも付ける面接での3つのステップ
- 採用サイトも「全員向け」では刺さらない。ターゲットを絞り翻訳して伝える
高校生に志望理由を聞くと、ほぼ全員が「家から近いからです」と答えます。
物流・製造系企業の採用担当者様との打ち合わせで、私はそこで止めずに、その先を聞くようお伝えしています。
※実際の打ち合わせをもとに、会社が特定されないよう一部を変えています。
高卒採用において「家から通える」ことは非常に重要な応募基準です。しかし、「家から近い」だけで面接を終えてしまうと、他社との違いを生み出せません。その先にある本人の価値観を聞き出し、自社の魅力と結びつける必要があります。これは面接だけでなく、採用ホームページでの情報発信でも同じことが言えます。
応募軸のトップは「家から通えること」
学校の先生方へのヒアリングでは、生徒の応募軸の1位は「家から通えること」でした。
次いで「休日」「給与」と続きます。
「接客業より製造業がいい」といった大枠の希望はあっても、最終的には通いやすさが決め手になりやすいのです。
「通勤1時間」の捉え方にも注意が必要です。
通勤に1時間かかっても大丈夫です、という生徒がいたとします。しかし、その1時間が「電車で1時間」なのか。それとも「ドアツードアで1時間」なのか。この定義のズレだけで、採用の対象となるエリアは大きく変わってしまいます。
このように、「家が近い」という条件は高校生にとって極めて重要です。
問題は、そこで会話を終わらせてしまうことにあります。「家から近い」という条件は近隣の他社も満たしているため、御社が選ばれる理由が弱くなってしまうからです。
本音を引き出し、自社に惹きつける3つのステップ
では、どうすれば「家が近い」の先にある本音を聞き出せるのでしょうか。
いきなり「なんでうちを選んだの?」と聞いても、本音を聞き出すのは簡単ではありません。
私は、面接官の方に次の3つのステップで会話を進めるよう指導しています。
この手順を踏むことで、生徒が本当に大切にしている価値観が見えてきます。
その価値観に対して「御社ならこういう働き方ができるよ」と伝えることが、強い動機付けにつながりやすいと私は感じています。
伝わる言葉に「翻訳」して伝える
本人の価値観がわかっても、自社の魅力が正しく伝わらなければ意味がありません。
大人同士で使う言葉は、高校生にはピンとこないことが多いからです。
例えば「各部門の調整役をお願いします」と言っても、高校生には伝わりにくいでしょう。彼らの日常にあるものに置き換えて説明する必要があります。
「調整役」であれば、ハンバーガー店の厨房やコンビニの品出しといった、高校生が身近に知っている仕事に置き換えると伝わりやすくなります。
このように翻訳して伝えることで、仕事のイメージが具体的に湧くようになります。
「家から近い」の奥にある本人の価値観を見つけ、伝わる言葉で自社の良さを結びつける。これで採用力に差がつくと考えています。
採用サイトも「全員向け」では当たらないパンチになる
面接での対話についてお話ししましたが、これは採用ホームページでも全く同じです。
すべての人に好かれようとして、全員に同じPRを並べる。それは、誰の心にも「当たらないパンチ」を打ち続けているようなものです。
ターゲットを明確にし、その人が何に興味を持つのかを想像する。そして、その価値観に響く具体的なエピソードや言葉を配置することが重要です。
採用ホームページは、面接の前に応募者と対話をするための重要なツールなのです。
人事目線で作る、採用起点のサービス
私は人事として16年、大量採用の現場を担ってきました。技術派遣の新卒採用では、年間2,000名規模の責任者を務めました。
さらにコンサルタントとして3年間、お客様の中に入り込んで知見を蓄積しています。
私の経験では、採用はWeb制作会社や広告会社の目線だけではうまくいきません。人事目線で求職者の心理を理解し、採用を起点とした仕組みを作ることが大切だと感じています。
現在私たちは、この人事目線を生かした新しいサービスの開発を進めています。採用ホームページと連動し、ターゲットに合わせたメッセージでコミュニケーションを取る「応募者管理LINE(仮称)」などを開発中です。
御社の採用課題に合わせたホームページづくりから、面接での伝え方の工夫まで。採用の最前線を知る私たちに、ぜひ一度ご相談ください。
山根のひとこと
面接の場は「会社が学生を選ぶ」場ではなく、「お互いが理解し合う」場です。「家が近い」の裏にある彼ら彼女らの本当の思いに気づけるかどうか。御社の魅力を翻訳して伝えることは、求職者にとっての「働く意味」を一緒に見つける作業でもあるのです。
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