AI採用対策とは、ChatGPTやGoogleのAIモードなどの生成AIが、自社を「正確に・不利なく」語る状態をつくる取り組みを指す。結論を先に書く。AI採用対策の第一歩は、施策ではなく計測だ。測っていない対策は、対策と呼べない。
この記事は、当研究所が自社サイトで実装・計測した事実だけを土台に、対策の全体像を1枚の地図として示す。今後の調査発表と衛星記事の公開ごとに更新する「育てる記事」であり、更新履歴を末尾に置く。
AI採用対策の定義 — AIO・LLMO・GEOはほぼ同じ意味
用語が乱立しているので、先に整理する。
- AIO(AI Optimization): AI検索・生成AI全般への最適化。当研究所の呼称
- LLMO(Large Language Model Optimization): ChatGPT等の大規模言語モデルへの最適化
- GEO(Generative Engine Optimization): 生成エンジン最適化。主に海外での呼称
呼び名は違うが、目指す状態はほぼ同じだ。「求職者がAIに自社のことを聞いたとき、正確な情報が返ってくる」。採用の文脈では、ここが土台になる。
なぜ採用で問題になるのか。転職AI利用者の94.6%が「知らなかった会社」をAIから提案され、87.4%がAIの情報をきっかけに応募や選考を辞退した経験を持つ(LANY調べ・2026年・n=111)。これは当研究所と事業領域が重なるSEO会社による外部調査だが、現時点で参照できる数少ない定量データのため引用する。9月発表の第1弾調査から、自社の一次データへ置き換えていく。
検索順位とAI引用は別ゲーム
「SEOで上位だからAIにも引用される」は成り立たない。Neil Patel氏の調査では、AIが引用したページの約9割が検索21位以下だった(Neil Patel氏の分析・2026年)。Googleでは見えていないページが、AIの回答では主役になっている。
では何が効いているのか。Ahrefsの調査では、第三者からの言及量とAI上での可視性に相関0.664(Ahrefs・2026年・ブランド言及量とGoogle AIによる概要の可視性の分析)が観察された。自社サイトで何を言うかより、「他者にどう言及されているか」が効いている可能性がある。
ただし、これは相関であり因果ではない。言及を増やせばAIに引用されることを保証するものではない。だからこそ、施策の前に自社の現在地を測る必要がある。
当研究所が自社実装した4点セット
概念の解説はここまでにする。当研究所(運営: 株式会社HRFreaks)が採用ホームページ.jpの自社サイトで実装済みの4点を、設定レベルで公開する。
1. エンティティ@id統一
構造化データ(検索エンジンやAIが読み取れる形式で書いた会社情報)で、会社と代表者に固有ID(@id)を振り、運営する複数サイトの間で同一に揃えた。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"@id": "https://hrfreaks.co.jp/#organization",
"name": "株式会社HRFreaks",
"sameAs": ["https://saiyou-homepage.jp/"]
}
別サイトから同じ@idを参照すると、AI側が「同一の会社」と同定しやすくなる。
2. llms.txt
AI向けにサイトの要約と主要ページを示すテキストファイル。サイト直下(/llms.txt)にMarkdown形式で置く。導入時、当社は2サイトのうち1サイトで設置漏れ(404)を起こしていた。実測して初めて気づいた失敗であり、悪いデータもそのまま出す。
3. 構造化データ(JSON-LD)
Organization・Person・FAQ等をJSON-LD(構造化データの記述形式)で実装した。実装後は必ず2段階で検証する。
- Googleリッチリザルトテストでエラー0を確認する
- Search Consoleの「拡張」レポートで認識状況を確認する
書いただけの構造化データは、認識されていない場合がある。検証までが実装だ。
4. プロンプトパネル定点観測
「株式会社◯◯はどんな会社ですか」など固定の質問文(プロンプト)を決め、複数のAIエンジンへ毎月同じ質問を投げて回答を記録する。当社では実装前の回答ログが残っていない項目もある。その項目は「今回から計測開始」と明示して運用している。
この4点の実装後、主要なAIエンジンに自社を質問すると、社名・所在地・事業内容が正確に返る状態を確認した。ただしn=1の自社事例であり、一般化はできない。だから100社調査を行う。
対策の全体地図 — 計測・実装・定点観測の3層
AI採用対策は3層で捉えると迷わない。
| 層 | やること | 対応する衛星記事(公開予定) |
|---|---|---|
| 1 計測 | AIが自社を今どう語るかを記録する | 定点観測の方法/100社実測調査 |
| 2 実装 | 構造化データ・llms.txt等を整備する | 採用サイトの構造化データ/llms.txtの書き方 |
| 3 定点観測 | 月次で再計測して変化を追う | 構造化データの限界/AIは求職者をどこへ導くか |
順番が重要だ。実装から入ると、効いたかどうかを判定できない。計測が先、施策は後。この地図の各項目は、衛星記事の公開に合わせて実測データ付きへ差し替えていく。
前提知識としては、既存コラムのAIに御社はどう紹介されているかと20代の2人に1人が生成AIが入門にあたる。
この研究所の方法と、9月からの調査予定
当研究所は編集方針5か条で運営する。評価をしない/方法を全部見せる/個社名を出さない/悪いデータも出す/売り込まない。
調査予定は次の通り。
- 第1弾(9月中旬): 「AIは中小企業をどう語っているか」。100社×5エンジン実測。どんな会社か/働く先としての検討/評判の3問
- 第2弾(10月): 「AIは求職者をどこへ導くか」。非指名の求人検索/同業のおすすめ/給料の3問
限界も先に開示する。調査対象100社は公開転職媒体から抽出し、マイナビ転職掲載企業が73%を占める。「中小企業一般」への一般化はできない。また、AIモードでの測定は各弾の看板2問に限る。
方法を全部公開した同種の調査は、当社の知る限り(2026年8月時点・国内の採用領域)見当たらない。だからこそ、方法自体を検証可能な形で残す。採用の新ルールは、測った者が書く。
更新履歴
2026-08-14 初版公開(自社実装4点と調査予定を掲載。実測データは第1弾発表後に追記予定)
出典
- LANY調べ(2026年・n=111・転職AI利用者対象): 94.6%が未知の会社をAIから提案、87.4%がAI情報で辞退経験
- Neil Patel氏の分析(2026年): AIが引用したページの約9割が検索21位以下
- Ahrefs(2026年・ブランド言及量とGoogle AIによる概要の可視性の分析): 第三者言及量とAI可視性の相関0.664
- 採用AIO研究所の自社実装・実測記録(エンティティ@id統一/llms.txt/構造化データ/プロンプトパネル定点観測、2026年8月時点)
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