20代の2人に1人が生成AIを使う時代、
採用はどう備えるか
- 生成AIの利用は、もう一部の若者の話ではない。20代の53%が利用し、2年半で約10倍に増えた
- 最も多い用途は「調べもの」。会社選びの下調べにも、AIが使われ始めている
- AIは採用サイトを読んで答える。だから対策は「AIに読まれる採用サイトを持つ」ことに尽きる
「うちの求職者は、まだAIなんて使っていない」。採用のご相談で、いまでもよく聞く言葉です。気持ちは分かります。ですが、数字を見ると、その前提はもう成り立ちません。生成AIは、気づかないうちに、求職者の"当たり前の道具"になりました。まずは、その事実から。
もう「一部の若者」の話ではない
日本リサーチセンターが2025年9月に行った調査によると、生成AIの利用経験率は全国全体で38.9%。2023年3月の3.4%から、わずか2年半で約10倍に増えています。そして、若い世代ほど利用率は高い。
出典:日本リサーチセンター「生成AIについて」2025年9月調査(全国20〜69歳・Web調査)
20代、つまり新卒・第二新卒の中心層では、2人に1人が生成AIを使っている計算です。しかも、最も多い使い道は「情報収集・調べもの・要約」。求職者がこの道具を、会社選びの下調べに向けるのは、ごく自然な流れです。
就活の現場でも、「使う人」が多数派になった
就職活動に絞った調査でも、同じ地殻変動が確認できます。マイナビのキャリアリサーチLabによれば、2025年卒では生成AIの利用経験が前年比プラス23.7ポイント。「使ったことがある人」が「ない人」を、わずか1年で上回りました。用途はエントリーシートの作成・推敲が中心と報告されています。
出典:マイナビ キャリアリサーチLab「生成AIがもたらす就職活動の変化」
去年までは「AIを使う就活生」は少数派だった。
今年からは、使わない側が少数派になった。
新しい道具が「例外」から「前提」に変わる瞬間は、案外わかりにくいものです。スマホがそうでした。数年前まで「まだガラケーの人もいる」と言えたのに、気づけば全員がスマホを前提に設計するようになった。生成AIは、いまその境目を越えたところです。採用の設計を、AIを使わない求職者に合わせて組み続けると、多数派を取りこぼします。
「調べもの」に使う、が採用にとって意味すること
ここで大事なのは、求職者がAIを「調べもの」に使う、という点です。会社を調べるとき、以前なら検索エンジンで社名を打ち込み、自分でサイトを見比べていました。いまは、その比較の一部を、AIが代わりに引き受けます。「この業界で若手が活躍している会社は?」「この会社ってどう?」——そう聞けば、AIが要約して答えてくれる。
では、AIは何をもとに答えているのか。魔法ではありません。Web上にある情報——とりわけ、会社のホームページを読んで、整理し、要約しているだけです。つまり、AIが自社をどう紹介するかは、自社が発信している情報の中身で、ほぼ決まります。
AIは、あなたの会社のホームページの"代わり"ではない。
ホームページを"読んで答える"存在だ。
よく「AIが出てきたら、もう採用サイトは要らないのでは」と聞かれます。事実は逆です。AIが答えの材料にするのが採用サイトである以上、採用サイトの役割は、むしろ重くなっています。AIに正しく・魅力的に紹介されたければ、その材料となる情報を、自社サイトに具体的に置いておくしかありません。
そして、辞退は「応募の前」に起きている
利用が広がった先で、何が起きるか。求職者はAIに会社を尋ね、複数社を比較し、見劣りした会社を、応募する前に静かに候補から外します。これは私たちが「AIによるサイレント辞退」と呼んでいる現象で、別の記事で、実際の調査データとともに詳しく書いています。
- あわせて読みたい:求職者はもう、あなたの会社をAIに聞いている(AIによるサイレント辞退)
利用実態のデータ(この記事)と、辞退のデータ(上の記事)を重ねると、結論はひとつです。AIに読まれ、正しく紹介される採用サイトを持つこと。これが、これからの採用の土台になります。
中小企業こそ、いまが先行のチャンス
ここまでは、少し身構える話だったかもしれません。ですが、中小企業にとっては追い風です。多くの企業は、まだAIを意識した採用サイトを持っていません。だからこそ、先に整えた会社が、AIの推薦リストを先取りできます。大手より先に動けるのは、意思決定の速い中小企業の強みです。
やることも、特別ではありません。
- 仕事内容・働く環境・条件・社員の声を、曖昧な形容詞ではなく具体的な事実で書く
- 求職者が抱く疑問を、FAQ(質問と答え)の形で置く(AIに引用されやすくなる)
- 情報を構造化し、AIが「質問と答えのセット」で読み取れる状態にする
- 実際にAIに自社を聞いてみて、どう紹介されるかを定点で確認する
AIのため、と身構える必要はありません。突きつめれば、これは「求職者が知りたいことを、具体的に、整理して書く」という、人のための作業です。それが結果的に、AIにもちゃんと伝わります。
まずは、自社の現在地を知ることから
とはいえ、「うちの採用サイトは、AIに読まれる状態になっているのか」は、自分ではなかなか判断がつきません。そこでまず、現在地を確かめることをおすすめします。私たちは、採用サイトが応募につながる設計になっているかを、5つの軸で無料診断できるツールを用意しました。1分・8問で、その場でスコアが表示されます。
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