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応募の一歩手前 シリーズ 約9分で読めます

「いい会社、どこ?」とAIに聞かれて、御社はどう紹介されていますか

山根 弘行
山根 弘行
株式会社HRFreaks 代表 / Chief Consultant|人材業界20年
— この記事の要点

ある会社の社長。夜、ふと気になって、自分でChatGPTに打ち込んでみた。「〇〇業界で、若手が活躍している会社を教えて」。AIは数秒で、5社を理由つきで挙げた。自分の会社は、そこになかった。

もう一度、今度は自社名で聞いた。「株式会社△△って、どんな会社? 働きやすさは?」。AIはこう返した。「公開されている情報が限られており、社風や働き方の詳細はわかりかねます」。

社長は、しばらく画面を見つめた。20年やってきた、いい会社のはずだった。それが、AIには「よくわからない会社」として扱われていた。

※採用支援の現場で見聞きする状況をもとに再構成した場面です。特定の個人・企業の事例ではありません。

私たちは、ずっと同じことを言ってきました。求職者は、応募の前に必ず会社のホームページを見ると。これは、いまも変わりません。ただ、その「一歩手前」に、もう一つ手前が増えました。ホームページを開く前に、まずAIに聞く。「この業界のいい会社は?」「この会社って、実際どう?」と。

ホームページの代わりに、AIを見ているのではない

ここで、誤解しないでください。「これからは求職者がAIを見るから、もうホームページは関係ない」——そうではありません。むしろ逆です。AIは、ホームページの"代わり"に登場したのではなく、ホームページを"読んで答える存在"として登場したのです。

求職者が「この会社、どう?」とAIに聞くと、AIはWeb上にあるあなたの会社の情報——その中心にある採用ホームページ——を読み、要約して答えます。つまり、AIの答えの材料は、あなたのホームページです。そして、AIの答えで興味を持った求職者は、結局そのあとホームページを開いて、自分の目で最終確認します。

ホームページの役割は、減っていない。
人とAIの両方に読まれるぶん、むしろ重くなった。

だから、関門が二つになりました。第一関門——AIに「いい会社」として挙げてもらえるか。第二関門——挙がった後、開かれたホームページで「応募したい」と思わせられるか。どちらの勝負も、分けるのは採用ホームページの中身です。「応募の一歩手前を整える」という話は、何も変わっていません。整える相手に、AIが一つ増えただけです。

「AIに聞く」は、もう一部の人の話ではない

「うちの業界の求職者は、まだAIなんて使っていない」。そう思いたくなるかもしれません。でも、数字を見ると、楽観はできません。

38.9%
生成AIの利用経験率(全体)。2年半で約10倍に
53%
20代の利用率。求職者世代は、すでに2人に1人
50.6%
AIの使い道の最多は「情報収集・調べもの」

出典:日本リサーチセンター(NRC)「生成AIについて」2025年9月調査(全国20〜69歳・Web調査)

若い世代の2人に1人がAIを使い、その最大の使い道が「調べること」。求職者が、応募する会社を調べるのにAIを使うのは、もはや自然な流れです。就活に絞った調査でも、マイナビによれば2025年卒の生成AI利用は前年から大きく伸び、「使ったことがある人」が「ない人」を上回るまでに逆転しました。さらに、AIに相談した求職者の多くが、自分では知らなかった会社をAIに教わり、その情報で応募先を絞り込んでいます(この「AIによる会社の取捨」は別コラムで詳しく書きました)。

自分の会社のことなのに、いちばん知らない

自社のホームページは、いつでも自分の目で見られます。求人票も、自分で書いた、あるいは目を通した。会社案内も手元にある。だから経営者は「自社の情報は把握している」と思っています。

ところが、ひとつだけ自分の目で見えないものがあります。「AIが、自社をどう説明しているか」です。これは聞いてみるまで分かりません。そして、ほとんどの会社が一度も聞いていない。つまり、求職者がいちばん最初に触れる"自社の第一印象"を、会社側だけが知らない、という状態が起きています。

自社サイトは、目で見える。
AIの中の自社は、聞くまで見えない。

これは口コミサイトとも違います。口コミは、書かれた内容がそのまま残る。けれどAIの答えは、聞くたびに文章が変わり、決まった置き場所がありません。だから「見に行く」という発想すら持ちにくい。見えないから、放置される。放置されるから、いつまでも"素っ気ない紹介"のまま、求職者の前に出続けます。

AIに、3つの聞き方で確かめる

難しい道具は要りません。ChatGPTでも、GoogleのAIによる回答でも、無料で今すぐできます。大事なのは、求職者と同じ聞き方で聞くこと。求職者は、次の3つの角度で会社に近づいてきます。

指名で聞く(自社名で)

「株式会社△△は、どんな会社? 働きやすさや採用について教えて」。これで、AIが自社を何と説明するかが分かります。「情報が少なく、詳細は不明」と返ってこないか。事実と違う説明をされていないか。ここが、求職者が応募を迷ったときに最後に確認する一文になります。

業界・条件で聞く(指名なしで)

「〇〇業界で、若手が活躍している会社は?」「△△県で、未経験から始められる〇〇の会社は?」。求職者が"まだ御社を知らない"段階の聞き方です。ここで自社が候補に挙がるかどうか。挙がらなければ、出会いそのものが生まれていません。

競合と並べて聞く

「A社・B社・自社、それぞれの違いを教えて」。AIは比較が得意です。並べたとき、自社が具体的に語られるか、それとも「情報が少ない」と一社だけ薄く扱われるか。求職者は、この比較を必ずやっています。だから会社も、同じ目線で見ておく必要があります。

Q.「△△業界で、若手が活躍している会社を教えて」

A.(よく整った会社)「◇◇社。入社3年目が主要プロジェクトを担当した実績を公開。研修制度や1日の流れも具体的で、若手の活躍がイメージしやすい会社です」

A.(情報が薄い会社)「□□社。事業内容は確認できますが、採用や働き方に関する具体的な情報は限られています」

※AIの返し方を分かりやすく示すための再構成例です。実際の出力は聞き方・時期により変わります。

同じ「若手が活躍」でも、AIの紹介はここまで差がつきます。差を分けているのは、規模でも知名度でもありません。Web上に、具体的で・検証できる事実が置いてあるかです。そして、その事実を置く場所が、採用ホームページです。

山根 弘行
山根の視点

相談に来られた経営者に、その場で自社名をAIに聞いてもらうことがあります。多くの方が、画面を見て少し黙ります。良くも悪くも、初めて"外から見た自社"を見るからです。これは健康診断に似ています。怖いから受けない、ではなく、怖いからこそ一度数値を見る。見れば、何を直せばいいかが具体的に分かります。見ないと、ずっと不安なまま放置することになります。

一度見て終わり、にできない理由

ここが大事なところです。AIに一度聞いて「まあ大丈夫そうだ」と安心しても、それは"その日の現在地"でしかありません。AIの答えは、止まっていないからです。理由は3つあります。

だから、AIにどう紹介されているかは「定点で診る」必要があります。一度の健康診断で一生安心しないのと同じです。年に一度、できれば数か月に一度、同じ聞き方で確かめて、変化を見る。これが、これからの採用における新しい"定期点検"になります。

一度見た現在地は、もう過去のもの。
大事なのは、変化を見続けること。

改善は、「現在地」からしか始まらない

ダイエットは、体重計に乗るところから始まります。乗らずに痩せようとする人はいません。AI時代の採用対策も、まったく同じです。まず、AIにどう紹介されているかを測る。そこで初めて、足りない事実、抜けている質問への答え、整理されていない情報が見えてきます。

測ったあとは、採用ホームページの中身を整えます。曖昧な言葉を具体的な事実に直す。求職者が抱く疑問に、質問と答えの形で答えを置く。AIが読み取りやすいように情報を構造化する。そしてまた測る。測る→直す→また測る。この繰り返しが、AIに正しく・具体的に紹介される状態へ近づける唯一の道です。

正直に申し上げると、「必ずAIで1位になります」とは言えません。AIの答えを完全にコントロールできる人は、世の中に誰もいないからです。私たちが約束できるのは、御社の良さが、AIにも求職者にも、事実として正しく伝わる状態に近づけること。それでも、何も対策していない多くの会社の中では、先に整えるだけで大きな差になります。

山根 弘行
山根の視点

私たちはこの"現在地を測る"ところを、まず自分たちのサイトでやりました。自社名をAIに聞き、足りない事実を足し、FAQを増やし、また聞く。地味な作業の繰り返しです。でも、これをやっている会社はまだ驚くほど少ない。だからこそ今が機会です。難しく考えなくて大丈夫です。本質は「求職者が知りたいことを、具体的に、整理して、サイトに書く」。それだけです。それが、人にもAIにも、ちゃんと届きます。

まず、聞いてみることから

このコラムを読み終えたら、ぜひ一度、ご自身の会社名をAIに聞いてみてください。「うちの会社、AIに何て言われているんだろう」。その一回が、これからの採用の第一歩になります。

結果が素っ気なくても、落ち込む必要はありません。それは"伸びしろ"がそのまま見えた、ということです。多くの会社がまだ自社の現在地すら知らない今なら、測って、直して、また測る。この当たり前を先に始めた会社が、AIの推薦リストを先に取れます。

御社は、AIに、何と紹介されていますか。確かめるところから、一緒に始めましょう。

「うちの会社は、AIにどう紹介されているのか」——30分の無料相談では、その場で御社の名前をAIに聞いて、現在地を一緒に確かめます。何が足りないか、どこから直せばいいかまで、採用コンサルティング会社の視点でお伝えします。私たちは「採用ホームページ.jp」で、AIにも求職者にも届く採用サイトを、初期費用0円・月額2.9万円から一社ごとに設計しています。営業の押し売りはしません。

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