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PCで作って、PCで確認して、公開する。それが一番危ない

山根 弘行
山根 弘行
株式会社HRFreaks 代表 / Chief Consultant|人材業界20年
— この記事の要点

ある製造業の会社で、新しくできた採用サイトを見せていただいたときのことです。担当の方はノートPCを開き、「なかなかいい出来でしょう」と言われました。実際、PCで見る限りきれいでした。

その場で私が自分のスマートフォンで同じページを開きました。トップの見出しは4行に折り返され、「応募する」ボタンは写真に半分隠れていました。

担当の方はしばらく黙ってから、こう言いました。「これ、社内で誰も見ていなかったです」。

※採用支援の現場で見聞きする状況をもとに再構成した場面です。特定の個人・企業の事例ではありません。

私が採用サイトを拝見していて、最もよく出会う不具合はリンク切れでも表示速度でもありません。PCでは正常なのに、スマートフォンでだけ崩れている状態です。しかも社内の誰も気づいていません。理由は単純です。作る人も、確認する人も、決裁する人も、全員がPCで見ているからです。

求職者はスマホで見て、会社はPCで確認する

求職者が採用サイトを開く場面を思い浮かべてください。求人媒体を見ていて、気になった会社名をタップします。通勤中の電車、昼休み、寝る前のベッドの上。私が見てきた範囲では、採用サイトへのアクセスはスマートフォンからが大半です。PCで見ているのは、社内の関係者と同業他社くらいだと思っています。

採用サイトがそもそも見られていることは、調査でも裏づけがあります。キャリタス就活が大学4年生に聞いた調査では、就職活動中に採用ホームページを見た学生は96.2%。ほぼ全員です。ただしこの調査は、どの端末で見たかまでは調べていません。端末の話は、私の実感としてお読みください。

一方、作る側はどうでしょうか。デザイナーは大きなモニタで作ります。担当の方はノートPCで確認します。社長は会議室のPC画面で決裁します。誰ひとり、求職者と同じ画面を見ていません。

求職者が見ている画面を、社内の誰も見ていない。
そのズレの分だけ、崩れが世に出ます。

出典:キャリタス就活「2025年卒 採用ホームページに関する調査」(2024年7月・株式会社キャリタスリサーチ/全国の大学4年生 1,030名)。※新卒学生を対象とした調査結果です。閲覧端末については調査されていません。

スマホでだけ崩れる場所は、だいたい決まっている

ここからは、いい知らせです。崩れ方には型があります。次の7つを見れば、多くは見つかります。専門知識は要りません。

そして、これらの多くは「公開したあとに足したページ」で起きます。公開時に念入りに見たトップページは無事でも、半年後に追加した募集要項や社員紹介は誰も見ていません。私が拝見する崩れは、この形が一番多いです。

山根 弘行
山根の視点

サイトを見せていただくとき、私は必ず自分のスマホで開きます。相手のPCを一緒に覗き込みません。少し不作法に見えるかもしれませんが、そうしないと分からないからです。PCの画面を見て「きれいですね」と言うのは簡単です。でもそれは、求職者が見ていない景色の話です。

「レスポンシブ対応」は、確認したという意味ではない

この話をすると、よくいただく質問があります。先に3つお答えしておきます。

— よくいただく質問

Q. 制作会社から「レスポンシブ対応です」と言われています。それでも崩れますか。

崩れることがあります。レスポンシブとは、画面の幅に合わせて配置が自動で変わる作り方のことです。変わったあとが読みやすいかどうかは、別の話です。自動で並び替わった結果、見出しが妙な位置で折り返されることは起こります。対応しているかと、確認したかは違います。

Q. 制作会社が確認しているのではないですか。

していることも多いです。問題は範囲です。どのページを、どの端末で確認するのか。私が拝見する契約書では、ここまで明記されているものは多くありません。公開時のトップページは見ていても、あとから足したページは範囲に含まれていないことがあります。誰かを責める話ではなく、決めていないだけです。

Q. いま崩れているかどうか、どうやって知ればいいですか。

御社ご自身で分かります。次の5つの手順で、5分あれば終わります。制作会社に依頼する必要はありません。

公開前の5分でできる確認

STEP 1
自分のスマホで開く
PCから自分宛てにURLを送り、スマートフォンで開きます。社内の共有端末ではなく、ご担当者がふだん使っている端末で見てください。
STEP 2
片手で、上から下まで読む
指だけで操作します。途中で画面を広げて拡大したくなったら、その場所が不合格です。拡大しないと読めない箇所は、そのまま読み飛ばされやすくなります。
STEP 3
応募ボタンまでのスクロール回数を数える
何回スワイプすれば応募の入口にたどり着くか。数えるだけで十分です。御社の担当者が多いと感じたなら、求職者も同じように感じている可能性が高いです。
STEP 4
電話番号を押し、フォームに入力する
電話が発信されるか。文字が打ちやすいか。送信の直前まで、実際に入力してみます。ここで面倒だと感じたなら、求職者も同じところで手を止める可能性があります。
STEP 5
PCのブラウザを細くして、全ページ通す
ブラウザの窓の右端をつまみ、細くしていきます。ご自身のスマホを画面に当てて、その幅に合わせるのが簡単です。この状態で全ページを開けば、実機に近い崩れがまとめて見つかります。

この5つは、Webの知識がなくてもできます。むしろ詳しくない方がやったほうが正確なことがあります。作り手は自分が作った画面を無意識に補正して見てしまうからです。読みにくい場所を、読める場所として処理してしまいます。

崩れの話に見えて、実は順番の話

もう一つ、スマホで見ると分かることがあります。こちらのほうが本質かもしれません。

スマホでは、横に並べたものが縦一列になります。PCで左右に置いた2つの箱は、スマホでは上下になります。つまり、「どちらが先か」が自動的に決まります。PCの画面では、優先順位をあいまいにしたまま置いておけました。スマホではそれができません。

会社概要、事業内容、沿革、代表挨拶、そして最後に募集要項。この順番で並んでいる採用サイトは珍しくありません。そして求職者が知りたい順番は、たいていこの逆です。PCで横に並べているうちは、この問題が見えません。縦一列になって初めて、順番が露出します。

ですから、スマホで見る作業は不具合探しだけでは終わりません。一番上に何が来ているかを見れば、そのサイトが会社の話をしているのか、相手の話をしているのかが分かります。

スマホの画面は、優先順位を隠せない。
上から順に、そのまま出ます。

明日から決めておく、3つのこと

気づいた人が直す、という運用では続きません。決めごとにしてしまうのが確実です。次の3つで足ります。

山根 弘行
山根の視点

「スマホで見ましたか」とお聞きすると、たいてい「見ました」と返ってきます。それでも崩れています。見たのはトップページだけ、というのがほとんどだからです。責めているのではありません。私も、自分の会社のサイトを全ページ通して見るのは面倒です。面倒なことは、意志ではなく仕組みでしか続きません。

まず、確認する画面を持ち替える

採用サイトの改善というと、デザインの作り直しや文章の書き換えを思い浮かべる方が多いと思います。どちらもお金と時間がかかります。順番としても、すぐには着手できません。

ところが、いま御社がすぐにできる改善は、確認する画面を持ち替えることです。費用はかかりません。それで見つかる崩れは、求職者が応募をやめた理由になっていたかもしれない場所です。

御社の採用サイトを、いまポケットの中の端末で開いてみてください。それが、求職者が見ている御社です。

スマホで開いてみて気になる箇所が出てきたら、次は何から直すかです。1分の無料診断では、8つの質問に答えるだけで、いまの採用サイトの状態をその場でスコア表示します。30分の個別相談では、実際のサイトをスマートフォンで一緒に見ながら、直す順番を率直にお伝えします。私たちの「採用ホームページ.jp」は、初期費用0円・月額29,000円(税別)からご利用いただけます。制作だけでなく、公開後の簡易更新(月1回まで無料)と、年1回のフルモデルチェンジまで月額に含みます。営業の押し売りはしません。

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