AIで企業を調べた求職者の6割超が、
AIの情報で応募をやめていた。
求職者の生成AI利用 定点観測 第1回(基準年)/n=255/2026年9月28日〜10月3日
21〜29歳で直近1年以内に就職・転職活動をした人に、企業を調べるときの生成AIの使い方と、それが応募行動に与えた影響を尋ねた。同じ設問で年1回観測し、変化を記録する。本稿は方法と全設問を含む全記録である。
0 要旨
1 方法
| 調査方法 | インターネット調査(調査会社Freeasyのモニターを利用) |
| 対象 | 全国の21〜29歳の男女のうち、就職活動中または2026年内に就職活動を行った学生、直近1年以内に転職活動(情報収集のみを含む)をした社会人 |
| 抽出 | スクリーニング調査(2026年9月1日・1,000人)で該当した279人(27.9%)に本調査を配信 |
| 回答数 | 255人(男性114人・女性141人) |
| 実施期間 | 2026年9月28日〜10月3日 |
| 設問 | 10問。Q2〜Q8・Q10は、Q1で「生成AI」を選んだ71人に尋ねた。Q8はQ7で「ある」と答えた45人に尋ねた |
ここでいう「生成AI」は、ChatGPT・Gemini・Copilotなどの対話型AIと、Googleの検索結果に表示されるAIの回答(AI Overview/AIモード)を含む。
2 結果
Q1 企業を調べるときに使ったもの(全員・複数回答)
| 選択肢 | 人数 | 割合(n=255) |
|---|---|---|
| 検索エンジン(Google、Yahoo!など) | 105 | 41.2% |
| 企業の公式サイト(採用ページを含む) | 98 | 38.4% |
| 求人媒体・転職サイト | 88 | 34.5% |
| 口コミサイト(OpenWork、就活会議など) | 81 | 31.8% |
| 生成AI(ChatGPT、Gemini、Copilotなど) | 71 | 27.8% |
| SNS(X、Instagram、TikTokなど) | 55 | 21.6% |
| 知人・先輩・キャリアセンター・エージェント | 47 | 18.4% |
| その他 | 17 | 6.7% |
表1 企業を調べるときに使ったもの。1人あたり平均2.1種類を併用していた。
| 区分 | 属性 | 回答者 | 生成AI利用 | 利用率 |
|---|---|---|---|---|
| 性別 | 男性 | 114 | 25 | 21.9% |
| 性別 | 女性 | 141 | 46 | 32.6% |
| 年齢 | 21〜24歳 | 76 | 17 | 22.4% |
| 年齢 | 25〜29歳 | 179 | 54 | 30.2% |
| 職業(参考) | 学生 | 36 | 6 | 16.7% |
| 職業(参考) | 学生以外 | 219 | 65 | 29.7% |
表2 属性別の生成AI利用率。職業は調査モニターの登録情報で、学生は36人と少ないため参考値とする。
Q2〜Q4 どのAIに、何を、どの場面で聞いたか(生成AI利用者・複数回答)
| 選択肢 | 人数 | 割合(n=71) |
|---|---|---|
| ChatGPT | 43 | 60.6% |
| Google Gemini | 39 | 54.9% |
| Microsoft Copilot | 32 | 45.1% |
| Perplexity | 24 | 33.8% |
| Googleの検索結果に出るAIの回答(AI Overview/AIモード) | 24 | 33.8% |
| Claude | 23 | 32.4% |
| その他 | 3 | 4.2% |
| どれか分からない | 0 | 0.0% |
表3 企業を調べるのに使った生成AI。
| 選択肢 | 人数 | 割合(n=71) |
|---|---|---|
| どんな会社か(事業内容・特徴) | 39 | 54.9% |
| 給与・年収 | 35 | 49.3% |
| 選考の流れ・面接で聞かれること | 33 | 46.5% |
| 残業時間・休日・働き方 | 27 | 38.0% |
| 評判・口コミ | 26 | 36.6% |
| 離職率・定着率 | 22 | 31.0% |
| 志望動機・自己PRの作成 | 17 | 23.9% |
| 同業他社との比較 | 14 | 19.7% |
| その他 | 4 | 5.6% |
表4 生成AIに聞いたこと。評判・離職率など、企業が自ら書きにくい情報も一定数聞かれている。
| 選択肢 | 人数 | 割合(n=71) |
|---|---|---|
| 応募書類(ES・履歴書・職務経歴書)の作成 | 39 | 54.9% |
| 応募する企業を絞り込む | 37 | 52.1% |
| 企業を探す・見つける | 32 | 45.1% |
| 面接の準備・対策 | 29 | 40.8% |
| 内定を受けるかどうかの判断 | 18 | 25.4% |
| その他 | 4 | 5.6% |
表5 生成AIを使った場面。応募書類の作成と並んで、応募先の絞り込みに使われている。
Q5〜Q8 応募行動への影響(生成AI利用者)
| 選択肢 | 知らなかった企業を知った(Q5)(n=71) |
|---|---|
| よくある | 43.7% |
| 何度かある | 32.4% |
| 一度だけある | 18.3% |
| ない | 5.6% |
表6 生成AIとのやり取りで、それまで知らなかった企業を知ったことがあるか。
| 選択肢 | 応募した・志望度が上がった(Q6・n=71) | 応募をやめた・辞退した(Q7・n=71) |
|---|---|---|
| ある | 59.2% | 63.4% |
| ない | 23.9% | 25.4% |
| 覚えていない | 16.9% | 11.3% |
表7 生成AIの情報が応募行動を変えた経験。両方を経験した人は71人中37人。
| 選択肢 | 人数 | 割合(n=45) |
|---|---|---|
| 情報が少なく、不安になった | 29 | 64.4% |
| 給与・待遇が希望と合わないと分かった | 22 | 48.9% |
| ネガティブな評判が出てきた | 21 | 46.7% |
| 他社のほうが良く見えた | 19 | 42.2% |
| 事業内容が思っていたものと違った | 9 | 20.0% |
| その他 | 2 | 4.4% |
表8 応募をやめた・辞退した主な理由。
Q9〜Q10 信用度と、公式サイトの確認
| 選択肢 | 生成AI利用者(n=71) | 非利用者(n=184) |
|---|---|---|
| とても信用している | 29.6% | 15.2% |
| ある程度信用している | 42.3% | 32.1% |
| どちらともいえない | 23.9% | 23.4% |
| あまり信用していない | 4.2% | 15.8% |
| まったく信用していない | 0.0% | 13.6% |
表9 企業について生成AIが答える内容の信用度。「とても+ある程度」は利用者71.8%、非利用者47.3%。
| 選択肢 | 生成AI利用者(n=71) | うち応募をやめた経験あり(n=45) |
|---|---|---|
| 必ず見た | 40.8% | 55.6% |
| だいたい見た | 35.2% | 37.8% |
| たまに見た | 16.9% | 4.4% |
| ほとんど見なかった | 7.0% | 2.2% |
| まったく見なかった | 0.0% | 0.0% |
表10 生成AIで調べたあと、その企業の公式サイトを見たか。
3 所見
第一に、生成AIはすでに企業を調べる手段の一つになっている。利用率は27.8%で、SNSや知人・エージェントを上回った。使われ方も応募書類の作成にとどまらず、応募先の絞り込み(52.1%)や企業探し(45.1%)に及ぶ。AIは「書く道具」であると同時に「選ぶ道具」として使われている。
第二に、AIは候補を広げもするし、外しもする。94.4%がAIで知らなかった企業を知り、59.2%が志望度を上げた。同時に63.4%が応募をやめた経験を持つ。やめた理由の1位は「情報が少なく、不安になった」(64.4%)で、悪い評判(46.7%)より多い。否定的な情報よりも、情報の不足が候補から外れる理由になっていることを示唆する。
第三に、AIのあとに公式サイトが確かめられている。AIで調べた人の76.1%が公式サイトを見ており、AIの情報で応募をやめた経験がある人では「必ず見た」が55.6%に上る。AIの答えで迷った人ほど、最後に公式サイトで確かめている可能性がある。
4 この調査の読み方
5 この調査の限界
次回(2027年)は同じ設問で観測し、変化を記録する。あわせて対象年齢の拡大を検討する。
付録 全設問と選択肢
| # | 質問文(形式・対象) | 選択肢 |
|---|---|---|
| Q1 | 就職・転職活動で企業について調べるとき、使ったものをすべてお選びください。(複数回答・全員) | 企業の公式サイト(採用ページを含む)/求人媒体・転職サイト/口コミサイト(OpenWork、就活会議など)/検索エンジン(Google、Yahoo!など)/生成AI(ChatGPT、Gemini、Copilotなど)/SNS(X、Instagram、TikTokなど)/知人・先輩・キャリアセンター・エージェント/その他 |
| Q2 | 企業について調べるために使った生成AIをすべてお選びください。(複数回答・Q1で生成AIを選んだ人) | ChatGPT/Google Gemini/Microsoft Copilot/Perplexity/Claude/Googleの検索結果に出るAIの回答(AI Overview/AIモード)/その他/どれか分からない |
| Q3 | 生成AIに、企業について何を聞きましたか。あてはまるものをすべてお選びください。(複数回答・同上) | どんな会社か(事業内容・特徴)/評判・口コミ/給与・年収/残業時間・休日・働き方/離職率・定着率/選考の流れ・面接で聞かれること/同業他社との比較/志望動機・自己PRの作成/その他 |
| Q4 | 就職・転職活動のどの場面で生成AIを使いましたか。(複数回答・同上) | 企業を探す・見つける/応募する企業を絞り込む/応募書類(ES・履歴書・職務経歴書)の作成/面接の準備・対策/内定を受けるかどうかの判断/その他 |
| Q5 | 生成AIとのやり取りの中で、それまで知らなかった企業を知ったことはありますか。(単一回答・同上) | よくある/何度かある/一度だけある/ない |
| Q6 | 生成AIで得た情報がきっかけで、応募した・志望度が上がった企業はありますか。(単一回答・同上) | ある/ない/覚えていない |
| Q7 | 生成AIで得た情報がきっかけで、応募をやめた・選考を辞退したことはありますか。(単一回答・同上) | ある/ない/覚えていない |
| Q8 | (前の設問で「ある」と回答した方)その主な理由をすべてお選びください。(複数回答) | ネガティブな評判が出てきた/情報が少なく、不安になった/給与・待遇が希望と合わないと分かった/他社のほうが良く見えた/事業内容が思っていたものと違った/その他 |
| Q9 | 企業について生成AIが答える内容を、どの程度信用していますか。(単一回答・全員) | とても信用している/ある程度信用している/どちらともいえない/あまり信用していない/まったく信用していない |
| Q10 | 生成AIで企業について調べたあと、その企業の公式サイトを見ましたか。(単一回答・Q1で生成AIを選んだ人) | 必ず見た/だいたい見た/たまに見た/ほとんど見なかった/まったく見なかった |
表11 全設問一覧。スクリーニング設問は「あなたの現在の状況について、最も近いものをお選びください」(就職活動中の学生/2026年内に就職活動を行った学生、直近1年以内に転職活動をした社会人、いずれにも当てはまらない)。
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