採用AIO研究所
FIXED-POINT SURVEY 01  /  2026.10.03

AIで企業を調べた求職者の6割超が、
AIの情報で応募をやめていた。

求職者の生成AI利用 定点観測 第1回(基準年)/n=255/2026年9月28日〜10月3日
21〜29歳で直近1年以内に就職・転職活動をした人に、企業を調べるときの生成AIの使い方と、それが応募行動に与えた影響を尋ねた。同じ設問で年1回観測し、変化を記録する。本稿は方法と全設問を含む全記録である。

0 要旨

SUMMARY
01企業を調べるのに生成AIを使った人は27.8%検索エンジン(41.2%)、公式サイト(38.4%)、求人媒体(34.5%)に次ぐ水準で、SNS(21.6%)を上回った。
02そのうち63.4%が、AIの情報をきっかけに応募をやめた・辞退した理由の1位は「情報が少なく、不安になった」(64.4%)で、「ネガティブな評判」(46.7%)を上回った。
03一方で59.2%は、AIの情報で応募した・志望度が上がった94.4%が、AIとのやり取りで知らなかった企業を知った経験を持つ。AIは入口にも、候補から外す理由にもなっている。
04AIで調べたあと、76.1%が公式サイトを見たAIの情報で応募をやめた経験がある人では55.6%が「必ず見た」と答えた。

1 方法

METHOD
調査方法インターネット調査(調査会社Freeasyのモニターを利用)
対象全国の21〜29歳の男女のうち、就職活動中または2026年内に就職活動を行った学生、直近1年以内に転職活動(情報収集のみを含む)をした社会人
抽出スクリーニング調査(2026年9月1日・1,000人)で該当した279人(27.9%)に本調査を配信
回答数255人(男性114人・女性141人)
実施期間2026年9月28日〜10月3日
設問10問。Q2〜Q8・Q10は、Q1で「生成AI」を選んだ71人に尋ねた。Q8はQ7で「ある」と答えた45人に尋ねた

ここでいう「生成AI」は、ChatGPT・Gemini・Copilotなどの対話型AIと、Googleの検索結果に表示されるAIの回答(AI Overview/AIモード)を含む。

2 結果

RESULTS

Q1 企業を調べるときに使ったもの(全員・複数回答)

選択肢人数割合(n=255)
検索エンジン(Google、Yahoo!など)10541.2%
企業の公式サイト(採用ページを含む)9838.4%
求人媒体・転職サイト8834.5%
口コミサイト(OpenWork、就活会議など)8131.8%
生成AI(ChatGPT、Gemini、Copilotなど)7127.8%
SNS(X、Instagram、TikTokなど)5521.6%
知人・先輩・キャリアセンター・エージェント4718.4%
その他176.7%

表1 企業を調べるときに使ったもの。1人あたり平均2.1種類を併用していた。

区分属性回答者生成AI利用利用率
性別男性1142521.9%
性別女性1414632.6%
年齢21〜24歳761722.4%
年齢25〜29歳1795430.2%
職業(参考)学生36616.7%
職業(参考)学生以外2196529.7%

表2 属性別の生成AI利用率。職業は調査モニターの登録情報で、学生は36人と少ないため参考値とする。

Q2〜Q4 どのAIに、何を、どの場面で聞いたか(生成AI利用者・複数回答)

選択肢人数割合(n=71)
ChatGPT4360.6%
Google Gemini3954.9%
Microsoft Copilot3245.1%
Perplexity2433.8%
Googleの検索結果に出るAIの回答(AI Overview/AIモード)2433.8%
Claude2332.4%
その他34.2%
どれか分からない00.0%

表3 企業を調べるのに使った生成AI。

選択肢人数割合(n=71)
どんな会社か(事業内容・特徴)3954.9%
給与・年収3549.3%
選考の流れ・面接で聞かれること3346.5%
残業時間・休日・働き方2738.0%
評判・口コミ2636.6%
離職率・定着率2231.0%
志望動機・自己PRの作成1723.9%
同業他社との比較1419.7%
その他45.6%

表4 生成AIに聞いたこと。評判・離職率など、企業が自ら書きにくい情報も一定数聞かれている。

選択肢人数割合(n=71)
応募書類(ES・履歴書・職務経歴書)の作成3954.9%
応募する企業を絞り込む3752.1%
企業を探す・見つける3245.1%
面接の準備・対策2940.8%
内定を受けるかどうかの判断1825.4%
その他45.6%

表5 生成AIを使った場面。応募書類の作成と並んで、応募先の絞り込みに使われている。

Q5〜Q8 応募行動への影響(生成AI利用者)

選択肢知らなかった企業を知った(Q5)(n=71)
よくある43.7%
何度かある32.4%
一度だけある18.3%
ない5.6%

表6 生成AIとのやり取りで、それまで知らなかった企業を知ったことがあるか。

選択肢応募した・志望度が上がった(Q6・n=71)応募をやめた・辞退した(Q7・n=71)
ある59.2%63.4%
ない23.9%25.4%
覚えていない16.9%11.3%

表7 生成AIの情報が応募行動を変えた経験。両方を経験した人は71人中37人。

選択肢人数割合(n=45)
情報が少なく、不安になった2964.4%
給与・待遇が希望と合わないと分かった2248.9%
ネガティブな評判が出てきた2146.7%
他社のほうが良く見えた1942.2%
事業内容が思っていたものと違った920.0%
その他24.4%

表8 応募をやめた・辞退した主な理由。

Q9〜Q10 信用度と、公式サイトの確認

選択肢生成AI利用者(n=71)非利用者(n=184)
とても信用している29.6%15.2%
ある程度信用している42.3%32.1%
どちらともいえない23.9%23.4%
あまり信用していない4.2%15.8%
まったく信用していない0.0%13.6%

表9 企業について生成AIが答える内容の信用度。「とても+ある程度」は利用者71.8%、非利用者47.3%。

選択肢生成AI利用者(n=71)うち応募をやめた経験あり(n=45)
必ず見た40.8%55.6%
だいたい見た35.2%37.8%
たまに見た16.9%4.4%
ほとんど見なかった7.0%2.2%
まったく見なかった0.0%0.0%

表10 生成AIで調べたあと、その企業の公式サイトを見たか。

3 所見

FINDINGS

第一に、生成AIはすでに企業を調べる手段の一つになっている。利用率は27.8%で、SNSや知人・エージェントを上回った。使われ方も応募書類の作成にとどまらず、応募先の絞り込み(52.1%)や企業探し(45.1%)に及ぶ。AIは「書く道具」であると同時に「選ぶ道具」として使われている。

第二に、AIは候補を広げもするし、外しもする。94.4%がAIで知らなかった企業を知り、59.2%が志望度を上げた。同時に63.4%が応募をやめた経験を持つ。やめた理由の1位は「情報が少なく、不安になった」(64.4%)で、悪い評判(46.7%)より多い。否定的な情報よりも、情報の不足が候補から外れる理由になっていることを示唆する。

第三に、AIのあとに公式サイトが確かめられている。AIで調べた人の76.1%が公式サイトを見ており、AIの情報で応募をやめた経験がある人では「必ず見た」が55.6%に上る。AIの答えで迷った人ほど、最後に公式サイトで確かめている可能性がある。

4 この調査の読み方

HOW TO READ
01母数は設問ごとに違うQ1・Q9は全員(255人)、Q2〜Q7・Q10は生成AIで企業を調べた71人、Q8は応募をやめた経験がある45人が母数である。たとえば「63.4%」は255人ではなく71人に対する割合である。
02複数回答の設問は合計が100%を超えるQ1〜Q4・Q8は、あてはまるものをすべて選ぶ形式である。
03数字には誤差の幅がある標本誤差の目安(95%信頼区間・最大値)は、n=255で約±6.1ポイント、n=71で約±11.6ポイント、n=45で約±14.6ポイントである。数ポイントの差は、差がないものとして読む。
04「経験がある」は回数や頻度を示さないQ6・Q7は一度でも経験があれば「ある」となる。応募全体のうち何割がAIの影響を受けたかを示すものではない。
05第1回は基準年である本調査は年1回の定点観測として設計した。数値の意味は、次回以降の変化と合わせて読むことで明確になる。

5 この調査の限界

LIMITATIONS
01対象は21〜29歳に限られる30代以上の求職者は含まない。全年代の求職者を代表するものではない。
02調査モニターの回答であるインターネット調査会社のモニターから抽出しており、ふだんからネットを使う層に偏る可能性がある。
03自己申告である回答は本人の記憶に基づく。実際の利用ログで確認したものではない。
04男女の構成に偏りがある女性が55.3%を占める。男女で利用率に差があるため(表2)、全体の数値は女性側にやや寄る。

次回(2027年)は同じ設問で観測し、変化を記録する。あわせて対象年齢の拡大を検討する。

付録 全設問と選択肢

APPENDIX  /  ALL QUESTIONS
#質問文(形式・対象)選択肢
Q1就職・転職活動で企業について調べるとき、使ったものをすべてお選びください。(複数回答・全員)企業の公式サイト(採用ページを含む)/求人媒体・転職サイト/口コミサイト(OpenWork、就活会議など)/検索エンジン(Google、Yahoo!など)/生成AI(ChatGPT、Gemini、Copilotなど)/SNS(X、Instagram、TikTokなど)/知人・先輩・キャリアセンター・エージェント/その他
Q2企業について調べるために使った生成AIをすべてお選びください。(複数回答・Q1で生成AIを選んだ人)ChatGPT/Google Gemini/Microsoft Copilot/Perplexity/Claude/Googleの検索結果に出るAIの回答(AI Overview/AIモード)/その他/どれか分からない
Q3生成AIに、企業について何を聞きましたか。あてはまるものをすべてお選びください。(複数回答・同上)どんな会社か(事業内容・特徴)/評判・口コミ/給与・年収/残業時間・休日・働き方/離職率・定着率/選考の流れ・面接で聞かれること/同業他社との比較/志望動機・自己PRの作成/その他
Q4就職・転職活動のどの場面で生成AIを使いましたか。(複数回答・同上)企業を探す・見つける/応募する企業を絞り込む/応募書類(ES・履歴書・職務経歴書)の作成/面接の準備・対策/内定を受けるかどうかの判断/その他
Q5生成AIとのやり取りの中で、それまで知らなかった企業を知ったことはありますか。(単一回答・同上)よくある/何度かある/一度だけある/ない
Q6生成AIで得た情報がきっかけで、応募した・志望度が上がった企業はありますか。(単一回答・同上)ある/ない/覚えていない
Q7生成AIで得た情報がきっかけで、応募をやめた・選考を辞退したことはありますか。(単一回答・同上)ある/ない/覚えていない
Q8(前の設問で「ある」と回答した方)その主な理由をすべてお選びください。(複数回答)ネガティブな評判が出てきた/情報が少なく、不安になった/給与・待遇が希望と合わないと分かった/他社のほうが良く見えた/事業内容が思っていたものと違った/その他
Q9企業について生成AIが答える内容を、どの程度信用していますか。(単一回答・全員)とても信用している/ある程度信用している/どちらともいえない/あまり信用していない/まったく信用していない
Q10生成AIで企業について調べたあと、その企業の公式サイトを見ましたか。(単一回答・Q1で生成AIを選んだ人)必ず見た/だいたい見た/たまに見た/ほとんど見なかった/まったく見なかった

表11 全設問一覧。スクリーニング設問は「あなたの現在の状況について、最も近いものをお選びください」(就職活動中の学生/2026年内に就職活動を行った学生、直近1年以内に転職活動をした社会人、いずれにも当てはまらない)。

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